2004 Fiscal Year Annual Research Report
海面処分場における遮水工構造の最適化と、埋立護岸の安全性・性能向上に関する研究
Project/Area Number |
16710047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲積 真哉 京都大学, 工学研究科, 助手 (90362459)
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Keywords | 廃棄物埋立護岸 / 連結鋼管矢板 / 海面埋立処分場 / H-H継手 / 透水係数 / 遮水性能 / 鋼管矢板 / 力学的特性 |
Research Abstract |
海面処分場における鋼管矢板護岸の設計では,想定される海上特有の諸条件に対して,鋼管矢板ならびに継手箇所の力学・水理学特性を定量的に評価しなければならない.特に,継手箇所における低い剛性,施工性,および遮水性の問題は,鋼管矢板を適用する上で解決しなければならない急務の課題であり,研究代表者は革新的な技術の一つとして,2本の鋼管がH鋼であらかじめ溶接された部材である「連結鋼管矢板」を開発している.さらに,連結鋼管矢板の開発に係わる技術として,2つのH鋼を用いた「H-H継手」による連結鋼管矢板端部の継手性能の向上を提案するとともに,より安全で信頼性の高い海面処分場技術の構築を目的として,H-H継手で介する連結鋼管矢板を用いた廃棄物埋立護岸の構築を検討している.本研究では,従来型継手を有する鋼管矢板の問題点を明らかにするとともに,廃棄物埋立護岸としての連結鋼管矢板およびH-H継手の有効性を遮水性の観点から述べる.さらに,連結鋼管矢板を実際に建設するために検証しなければならない打設性能,および現場継手性能を評価するため,実大規模の現場施工試験ならびに現場継手部の曲げ試験を実施した.その結果から得られた知見を以下に示す. (1)連結鋼管矢板を鋼管矢板構造物として利用することにより,従来型鋼管矢板と比較して鋼材の縮減と工期の短縮が期待できる. (2)H-H継手を嵌合した連結鋼管矢板の換算透水係数は,膨張性シートの接着により作用水圧0.05MPaにおいて10^<-8>cm/sオーダーの低透水性を示す. (3)連結鋼管矢板は,バイブロハンマにダブルヘッド型のアタッチメントを装着することで,N=25程度の砂質地盤において打設可能である. (4)連結鋼管矢板の最大耐力および残留耐力は,現場継手の有無に係わらずほぼ同等であり,現場継手構造は十分な耐力を発揮できる.
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