2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型バイオポリエステルの顆粒形成における分子解析
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16710054
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
松崎 弘美 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (30326491)
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Keywords | 生分解性プラスチック / ポリヒドロキシアルカン酸 / PHA / 環境調和型高分子材料 / 共重合ポリエステル / Pseudomonas / Phasin |
Research Abstract |
微生物が合成するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は、生分解性プラスチックであるため、環境に負荷を与えない環境調和型バイオポリエステルとして注目される。Pseudomonas sp.61-3は、炭素数4の(R)-3-ヒドロキシブタン酸(3HB)をモノマー単位とするP(3HB)ホモポリマーと炭素数4〜12の(R)-3-ヒドロキシアルカン酸(3HA)をモノマー単位とするランダム共重合ポリエステル、P(3HB-co-3HA)、の2種類のPHAを同一菌体内に蓄積する。これは、基質特異性の異なる2種類のPHA重合酵素を有しているためであり、合成されたPHA顆粒には、特異的に結合するタンパク質(GAP ; Granule-associated protein)がそれぞれ存在する(P(3HB)に特異的なGA24、P(3HB-co-3HA)に特異的なGA18およびGA36)。しかしながら、GAPがどのような機能で局在しているかは明確ではない。PHAの顆粒形成機構や生合成機構を分子レベルで明らかにすることが、PHAの実用化に必須であり、菌体内のPHA形成における機構を理解することを目的とした。 これまでに、GA24が3HB分率が87mol%以上の共重合ポリエステルに結合し、GA18およびGA36は少なくとも3HA分率が13mol%以上の共重合ポリエステルに結合することを明らかとし、GA18およびGA36の遺伝子のみならず、GA24の遺伝子(phbP)を今回同定した。一方、P(3HB)生合成遺伝子の上流に推定転写アクチベーター遺伝子(phbR)を見出し、phbR遺伝子破壊株はP(3HB)をほとんど合成せず、さらに、β-ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)のレポーターアッセイの結果から、PhbRタンパク質は転写アクチベーターであることが強く示唆された。
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