2005 Fiscal Year Annual Research Report
原子直視型複合型顕微鏡法によるカーボンナノチューブ合成と物性解析法
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16710062
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安坂 幸師 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (50361316)
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Keywords | 高分解能透過電子顕微鏡法 / カーボンナノチューブ / 力学特性 / 電気伝導特性 / その場観察 |
Research Abstract |
本研究では、カーボンナノチューブ固有の特性を実験的に解明するために、一本の孤立したカーボンナノチューブを透過電子顕微鏡の試料室に原子間力顕微鏡と走査トンネル顕微鏡の機能を備えた複合型顕微鏡内部で合成し、その場で力や電圧を印加し、歪みや応力、弾性率、強度等の力学特性および電流密度や電気伝導度等の電気伝導特性を明らかにすることを目的とする。本年度は、合成したカーボンナノチューブの構造と電気伝導特性の関係を明らかにした。 60分の1秒間隔で記録した透過電子顕微鏡像を、240分の1秒間隔で記録した電流や電圧、力の変化、電流-電圧関係等と対応させて解析した。カーボンナノチューブの層数、直径、長さ、先端開または閉殼構造、電極との接合方法の違いよる電気伝導度への影響や、直径の異なる2本のナノチューブ同士が接合した構造の電気伝導特性を明らかにした。本実験手法で合成した単層カーボンナノチューブの電気伝導度は、理論から予想されるそれよりも、5分の1から2程度小さいことが判明した。本研究を遂行する過程で、ナノカーボン材料に関する以下の新しい知見を得た。グラフェンワイヤーを作製し、その電気伝導特性を調べた結果、電気伝導度がワイヤーの長さに関係なく一定であることを見出した。また、アモルファスカーボンからグラファイトへの相変態や、金属ナノ粒子の触媒作用によるカーボンのナノチューブおよびグラファイト層の形成過程を原子レベルで動的に観察し、カーボンナノチューブの形成機構の解明につながる知見を得た。
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Research Products
(3 results)