2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16710070
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
檜枝 光憲 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (30372527)
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Keywords | 水晶マイクロバランス / ナノトライボロジー / ナノ多孔体 / ヘリウム / 界面摩擦 |
Research Abstract |
本研究は水晶マイクロバランス(QCM)法を用いて、ナノ多孔体中に吸着したヘリウム原子膜の界面摩擦とスリップ現象の研究を行うことを目的としている。研究初年度の平成16年は、まず新規に本研究に必要なQCM測定システムを立ち上げた。本測定システムの特徴は、極低温環境下での測定に有利に周波数モジュレーション(FM)法を用いた点にあり、励起パワーを1nW以下に抑え、オーバートーン発振よる柔軟な周波数を可変した測定ができる。又、2つのQCMの同時測定ができるように工夫を施し、in-situ環境下での2つのQCMの直接比較、効率的なデータ収集ができるようになった。このQCM測定システムは、研究室に既存の3Heクライオスタットシステムとの組み合わせることにより、最低温度0.5K〜の測定が可能になった。本研究に用いるナノ多孔体試料として、まず初めにRFスパッター法によるポーラスゴールド電極(細孔径40nm、空隙率70%)の作製を行った。RFスパッター法を用いた方法は、従来のイオンビームスパッターを利用した方法に比べ、試料作製にかかる時間を大幅に時間短縮(2日→20分)し、本研究に費やされる時間コストを大幅にカットできたと考えている。現在、電気通信大学の鈴木(勝)グループとの共同研究により、ポーラスゴールド中のヘリウム原子膜のスリップ現象の測定が進行し、近い将来、研究成果が期待される。また、QCMのさらなる高感度化を目指しており、ナノポーラスシリカを付着したQCMの製作に取り組んでいる。
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