2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの高度構造制御とハイブリットカーボンナノチューブの創製
Project/Area Number |
16710083
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小塩 明 三重大学, 工学部, 助手 (70362358)
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Keywords | カーボンナノチューブ / カーボンナノファイバー / カーボンナノコイル / カーボンマイクロコイル / アーク放電 / CVD / 多面体グラファイト / ナノカーボン粒子 |
Research Abstract |
1.本研究では、ITO/Fe触媒を用いたアルコールを原料とした化学気相成長法により、特異な周期的ナノ空洞構造(Conical cavityと名付けた)を有するカーボンナノファイバー(CNF)を生成できることを見出した。このConical cavity型CNFの構造は直径に依存しており、250-400nmにおいて優先的に形成されることがわかった。また、特に触媒粒子に注目し、詳細な成長条件を検討するとともに成長メカニズムの解明を試みた。成長条件に関しては、基板上に担持させる触媒量の最適条件を明らかにし、約280nmの直径を有する触媒粒子が最も効率よくConical cavity型CNFを生成することがわかった。さらに成長途中、この触媒粒子は八面体型構造となることによって、組成の時間的・空間的な周期的不均一性を生じる。そのため触媒粒子への炭素の溶解・拡散・析出に一定の周期が生じ、極めて周期的なナノ空洞構造を構築できるという成長モデルを提案した。また、このConical cavity型CNFは節となっている部位で容易に切断が可能であることを明らかにした。この結果は、今後、より制御性よく切断できる技術を開発することによって、任意の長さのCNFを選択的に形成できる可能性を示唆している。 2.水素ガス中でのアーク放電法によって、初めて金属触媒を用いずに螺旋状炭素構造体(カーボンナノコイル、カーボンマイクロコイル)を生成することに成功した。また本方法では、稠密カーボンナノチューブ(CNT)に類似する構造を持つ鋭端多層CNTの作製にも成功した。一方、セルロースを原料としたアーク放電によって、多面体グラファイト粒子やプレートレットグラファイト粒子などのナノカーボン粒子を生成できることを明らかにした。これらのナノカーボン粒子の生成に関する研究はアーク放電法では初めてである。
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Research Products
(4 results)