2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマニピュレーション技術高度化のための酸化物ナノ針の開発
Project/Area Number |
16710084
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒崎 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90304021)
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Keywords | ナノホールアレイ / マイクロマニピュレーション / ナノ針 / チタニア / 光触媒 / 殺菌 / 細胞操作 |
Research Abstract |
近年、バイオテクノロジーや医療の研究分野において、技術・機器の微細化がかなりのスピードで進行している。例えば、単一細胞をナノレベルで操作する技術や、複雑で微細な構造をもつ臓器や脳へのピンポイント治療技術の構築(あるいは高度化)が、近年大変重要視されている。このような微小領域における操作では、現在は、孔径が約500nmのガラスキャピラリーが用いられているが、より的確な操作のためには、さらに細い細管が要求されている。しかしながら、孔径が500mn以下のガラスキャピラリーの作製は非常に困難であるため、これに代わるまったく新たな材料の出現が望まれている。 そこで本研究では、孔径が500nm以下で酸化物からなる「酸化物ナノ針」を開発すること、ならびにその基礎特性を評価することを目的とする。我々のグループが独自に開発した新素材「酸化物ナノホールアレイ」に関する技術を応用することで、酸化物ナノ針の作製が可能になると考えている。 マイクロインジェクションにのようなイクロマニピュレーションの際に用いられているガラスキャピラリーの孔径は、最小で約500nmであるのに対し、我々が開発しようとする酸化物ナノ針の孔径は数10〜500nmである。これにより、より微小な領域における物質の操作や加工が可能となる。 本研究において、酸化物ナノホールアレイの作製技術をもとに、TiO2ナノ針の作製に成功した。また、ナノ針の孔径や壁面の厚さなどを自由に制御できることを見出した。さらに、作製したTiO2ナノ針の光触媒特性を評価し、光殺菌効果を有していることを確認した。
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