2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ空間におけるカーボンナノチューブのプロセッシング
Project/Area Number |
16710087
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吾郷 浩樹 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (10356355)
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Keywords | カーボンナノチューブ / マイクロチップ / 分離技術 |
Research Abstract |
1.はじめに カーボンナノチューブ(以下,CNTと略す)は,そのユニークな電子的・機械的・熱的性質から大きな注目を集めている。近年の大量合成の進展にあわせて複合材料やディスプレイ等への応用研究が盛んに行われている。また企業を中心として合成法の改良化が活発に行われ,大量合成の目処もつきつつある現状において,今後のCNT研究の重要性は,少量でもカイラリティの制御されたCNTを合成する,もしくは分離することによって,そのユニークな構造的・電子的特徴を活かしたナノデバイスやナノセンサーのような真のナノテクノロジーへと発展させることである。本研究では、マイクロ空間と合成技術を組み合わせることで、このような高度なナノチューブの分離を行うことを目的としている。 2.マイクロ流路の作製 本研究費で購入した微細加工機を用い、100μmの流路を有するマイクロ空間デバイスを作製した。今後は陽極接合装置等を利用して、この応用を図っていく予定である。 3.CNTの合成とプロセッシング 単層CNTの直径制御をFe/MgO担持触媒を用いることで成功した。この直径を制御して合成した単層CNTをSDSという界面活性剤の存在下、重水中で超音波処理と超遠心分離を行うことでCNTの孤立分散液を得ることも出来た。さらに、この孤立分散液について、単層CNTの近赤外領域の蛍光マッピングからカイラリティ分布を測定し、アームチェアリッチな構造を有していることも明らかにした。今後は上記で得られた均一直径を有する単層CNTを用い、[2]で作製する流路で高度な分離を行っていく予定である。この実現により、これまで難しかったカイラリティあるいは電子構造による高度分離が可能となり、デバイスやセンサーへの応用が促進されるものと期待できる。
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Research Products
(7 results)