2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16710091
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
稲田 貢 独立行政法人情報通信研究機構, 基礎先端部門ナノ機構グループ, 専攻研究員 (00330407)
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Keywords | シリコンナノワイヤー / シリコンナノチェーン / 表面修飾 / フォトルミネッセンス / レーザーアブレーション / 水素終端 / エレクトロルミネッセンス / ホッピング伝導 |
Research Abstract |
1.表面修飾シリコンナノワイヤーの光学特性の評価 作製した試料の光学特性を光吸収スペクトル、ラマン分光法、フォトルミネッセンス(PL)測定により評価した。特に、これまでに評価実績のある水素終端シリコンナノワイヤーについてはクライオスタットを用いて温度特性および時間分解PL測定の評価を行い、より詳細な励起・緩和過程に関する考察を行なった。水素終端シリコンナノワイヤーの発光特性は、試料を真空チャンバーから大気中に取り出すことにより変化するが、この変化は量子閉じ込め効果によるものではなく経時とともに進行する自然酸化により生じる種々のSi-O結合に起因することを明らかにした。さらに表面修飾シリコンナノワイヤーを活性層としたEL素子を作製し、電流印可による発光を実現した。解析の結果、EL素子の電子励起機構は高電界印可によるimpact ionizationであることがわかった。 2.表面修飾シリコンナノワイヤーの電気伝導特性の評価 リソグラフイーにより作製した間隔50nm〜1μmの電極を有する基板へシリコンナノワイヤーを堆積し、その電気伝導特性を1.5K〜室温の広い温度領域で測定した。その結果、本シリコンナノワイヤーの電子輸送現象はvariable range hoppinng伝導で説明できることがわかった。さらに、詳細な解析によりこのhoppinng伝導は隣り合うナノ粒子間のクーロン相互作用が関与していることが明らかとなった。この結果はシリコンナノワイヤーを構成する隣接粒子間に量子ドット間相互作用が有することを示しており新たな電子相の出現などによる結合量子ドット系の新展開が期待できる。
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Research Products
(1 results)