2004 Fiscal Year Annual Research Report
2次元微小共振器半導体レーザの発振モードの制御に関する研究
Project/Area Number |
16710102
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
福嶋 丈浩 岡山県立大学, 情報工学部, 助教授 (00264911)
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Keywords | 微小共振器 / 2次元共振器 / 共振器固有モード / 半導体レーザ / 周期軌道 / ビームスイッチ |
Research Abstract |
本研究は、2次元微小共振器半導体レーザにおいて、共振器の形や電極の形、さらに外部注入光を利用して、発振モードを制御することにより、半導体レーザの多機能化を図ることを目的とする。具体的には、以下の3点について検討を行う。 (1)2つの曲面ミラーと2つの側面ミラーでレーザ共振器が構成される微小共振器半導体レーザの発振モードを理論と実験の両面から明らかにする。 (2)安定な出力ビームが得られる共振器と電極の形状を明らかにする。 (3)外部から光を注入することにより、注入同期現象を利用したモード制御の可能性を検討する。 本年度は、(1)と(2)の課題に取り組み、以下に示す成果を得た。 1.発振モードの調査 共振器のパラメータや電極の形が異なる微小共振器半導体レーザに対して、発振特性を評価すると共に、拡張Fox-Liモード計算法を用いて共振器の固有モードを解析した。その結果、光線の周期軌道が幾何学的に安定になる共振器においては、それぞれの周期軌道に沿ってビームが伝搬する発振モードが現れることを明らかにした。さらに、これらの発振モードを電極の形により制御できることを明らかにした。一方、光線の周期軌道が不安定になる共振器においては、不安定周期軌道に沿ってビームが局在する特殊な発振モードが現れることを明らかにした。さらに、このような不安定共振器における光線と固有モードの対応関係を簡単な方程式で表した。 2 安定な出力ビームを得るための調査 安定な出力ビームが得られる共振器形状を検討した。共振器長600μm、曲面ミラーの半径300μm、共振器の幅60μmのInGaAsP系歪MQW構造の半導体レーザにおいて、曲面ミラーの幅を40μmまで狭めた構造を用いることにより、高次モードの発振が抑えられ、単峰性の出力ビームが得られた。さらに、2電極構造を採用することにより、出力ビームのスイッチ機能を実現した。
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Research Products
(7 results)