2004 Fiscal Year Annual Research Report
回収ロジスティックス・システムにおける協調管理方策に関する研究
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16710121
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
楠川 恵津子 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (00336801)
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Keywords | ロジスティクス / 環境 / リユース / リマニュファチャリング / 生産方策 / 在庫政策 |
Research Abstract |
回収ロジスティクス・システムにおける協調管理方策の開発に関する平成16年度の研究実績を以下に挙げる. [1]リマニュファクチャリング・システムにおける多段工程への最適投入計画(Decision Approach for the Optimal Input Quantity in a Remanufactuing System) 近年利用可能な資材量の制限や環境対策から製品/部品の回収・再利用は生産活動において新たな付加価値を生むと認識されている.本研究では外部/内部回収品の再生・再利用を考慮しないBarad & Brahaのモデル(既存方策)をもとに製品/部品の回収・再生・再利用を行うリマニュファクチャリング・システムでの多段工程への最適部品投入計画(提案方策)について考案する.提案方策での最適部品投入量,その上・下限値の設定およびコスト評価を数値検証し,既存方策との比較から提案方策の有効性について考究した. [2]生産/再生産システムでの協調決定方策(A Cooperative Decision Approach for a Production/Remanufacturing System) 近年,社会の環境問題から生産システムでは従来の生産ラインだけではなく,回収品を再生するためのラインの導入が必要となっている.最近Kiesmuller & Minnerが提案したリマニュファクチャリング・システムにおける生産量・再生量の決定方策(既存方策)では生産・再生ラインでの生産量・再生量を独立に決定しており,回収品を有効に活用できない場合がある.そこで本研究では,リマニュファクチャリング・システムにおいて,回収品の活用を優先した生産量・再生量の協調決定方策および基準在庫の決定方策について提案し,併せて数値検証により有効性を示した. [3]循環型ロジスティクス・システムにおける安全在庫戦略の改良(Modified Strategic Safety Stocks in Reverse Logistics) 最近Minnerにより多段階の在庫拠点において,工程内で再利用可能な加工品や顧客からの回収品がある回収ロジスティクス・システムにおける安全在庫戦略について考究されている.ただ,Minnerの戦略では最終拠点で必ず在庫を持ち,サービスタイムを0と仮定して顧客へのサービス向上に役立てている.しかしながら,現実問題として最終拠点で常に在庫をもつことは,ときには「死に在庫」が増えることにもつながり,必ずしもよいわけではない.本研究では,Minnerの安全在庫戦略モデルをもとに,最終拠点において在庫を持たない場合に生じるサービスタイムに起因する機会損失を考慮した,回収ロジスティクス・システムにおける安全在庫戦略について考察した.
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Research Products
(3 results)