2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16710122
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤江 哲也 兵庫県立大学, 経営学部, 助教授 (40305678)
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Keywords | 離散最適化 / スケジューリング / 厳密解法 |
Research Abstract |
今年度も引き続き,スケジューリング問題に対する厳密解法,および,整数計画問題に対する主算法に関する研究を主に行った.総滞留時間(完了時刻の総和)を最小にするスケジュールを求める二機械フローショップ問題について,昨年度は基本補題を用意し,これらを用いることによって既存の優越関係(分枝限定法における限定操作に使われる)を統一的に扱うことができること,そしてより強い条件が導けることを示した.本年度は,これらの結果を整理し直すと同時に,近年Akkan and Karabtiにより提案された,ネットワークを用いた定式化に基づく分枝限定法を実装し,優越関係の有効性について調べた.その結果,優越関係を用いることによって計算時間が短縮され,また,与えられた時間内に解くことができる問題数も増加した.続いて,整数計画問題に対する主算法として近年提案されたIntegral Basis Methodの,二次割当問題への適用を行った.二次割当問題は,組合せ最適化問題の中でも厳密解を求めるのが非常に難しいと認識されており,実際,最適と思われる解がわかっているとしても,その最適性の証明ができていないことが多い.Integral Basis Methodはそのような問題に適していると考えられる.今回は,Kaufman and Broeckxの定式化に対してIntegral Basis Methodを適用し,この定式化の性質を利用した緩和方法を提案した.その結果,(メインループの)反復回数が減少し,多くの問題に対して計算時間が短縮された.これらの技法は一般の整数計画問題にも適用可能であると考えられる.
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