2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16710129
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
山崎 栄一 大分大学, 教育福祉科学部, 講師 (00352360)
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Keywords | 憲法 / 行政法 / 社会保障法 / 災害法制 / 被災者支援 / 住宅再建 / 生活再建 / 自治体 |
Research Abstract |
本年度は、最近の被災者支援制度の動向を整理することを主だった研究課題とした。このような作業は意義がある。というのは、支援法の改正が自治体の独自施策や自治体による支援法改正の要望を見据えながら行われ、反対に、自治体の独自施策というものが支援法を意識しながら行われるという相互関係に立っていることから、被災者支援制度の動きを整理することで、被災者支援法システムが将来的にどのような発展を遂げていくのかが予測可能となるからである。 まずは、被災者生活再建支援法の改正ポイントを整理し、依然として残されている課題について指摘を行った。 次いで、自治体の独自施策を自治体から収集した資料を基に調査し、独自施策の形態の整理を試みた。これらの独自施策は、支援法の欠陥を補うべく行われた点を見逃すことは出来ない。2004年から2005年前半にかけて実施された、自治体による独自施策のおかげで、被災者個人に対する生活再建・住宅再建・住宅補修の支援のあり方について現状で考えられ得る大方のパターンを提示してくれたように思われる。被災者支援制度の拡充パターンは、以下のような形で見受けられた。 (1)発動要件の緩和により、1件でも自然災害による被害が生じれば制度が発動される。 (2)支援金受給に要する被害度の拡充ならびに所得・年齢要件の撤廃により、支援の対象が拡大する。 (3)支援メニューの拡大により、生活再建については所得保障的な支援が行われ、住宅再建・住宅補修については直接公費を投入できるようになった。また、支援金額の上乗せも行われるようになった。
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Research Products
(2 results)