2005 Fiscal Year Annual Research Report
都市が形成する気象を考慮した都市型集中豪雨の予測に関する研究
Project/Area Number |
16710133
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
吉本 直弘 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (10294183)
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Keywords | 都市型集中豪雨 / 気象災害 |
Research Abstract |
大阪府の夏期高温日の午後に発生する強雨と熱的局地循環との関係について調べた。解析対象は大阪府内の7つのアメダス観測点で、解析期間は2005年7月18日(近畿地方の梅雨明け)から8月31日までの45日間である。日最高気温が30℃以上に達し、大規模な大気擾乱の通過に関連せずに日最大1時間雨量5mm以上の降雨が観測された事例は8日間あった。これらのうち、主に大阪平野に強雨がもたらされた3事例について、アメダス及び大阪府地域大気汚染常時監視測定データを用いて、地上の気温場と風系を詳しく解析した。いずれの事例も8時から10時にかけて大阪府南部沿岸地域で海風の進入が見られた。海風は時間と共に大阪平野の内部へと東進し、12時から14時には海風前線の進行方向前方の大阪平野北東部に高温域(最高気温38℃)が形成された。同時に、大阪平野上に形成された高温域に向かって京都府南部から北東寄りの風が吹いていた。この風と大阪湾から進入する海風とが衝突し、大阪平野上に大きな気流の収束が形成された。この収束域で雲頂高度が対流圏界面に達する発達した積乱雲が発生し、強雨がもたらされた。京都府南部から大阪平野上の高温域に向かって吹く北東寄りの風は、これら二つの地域の温度差によって生じた局地風であると考えられた。この風と海風循環によって夏期高温日の午後に大阪平野上に強雨がもたらされる。大阪平野上の高温域の形成には都市のヒートアイランド現象の影響が考えられた。大阪市周辺の都市型集中豪雨の予測には、大阪平野上の気温場と風系の詳細な把握と精確な予測が必要である。
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