2004 Fiscal Year Annual Research Report
新たな津波被害スケールに基づく広域津波災害時の連携情報システムの開発
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16710136
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Research Institution | The Great Hanshin-Awaji Earthquake Memorial Disaster Reduction and Human Renovation Institution |
Principal Investigator |
越村 俊一 財団法人阪神・淡路大震災記念協会, 人と防災未来センター, 専任研究員 (50360847)
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Keywords | 地震 / 津波 / 被害関数 / リアルタイムシミュレーション |
Research Abstract |
広域津波災害発生直後に沿岸部自治体(府県・市町村)が行う初動対応の意志決定を支援する津波防災情報システムを構築し,その仕様を提案する.すなわち,(1)各種津波被害の程度を津波高と流速の関連で明らかにし,新たな津波被害関数とその表示スケールを構築すること,(2)情報空白期においては,数値シミュレーションと被害関数に基づき,津波被害の程度を迅速かっ多角的に予測するモデルを開発すること,(3)西日本太平洋沿岸部から大阪湾にかけての津波観測施設のネットワーク化を行い,津波の来襲状況から実被害の程度を面的かっ広域に把握する論理体系を構築すること,(4)津波被害の予測情報,観測情報,実被害情報を一元集約し,時々刻々と展開する災害対応の業務に各自治体が連携して利用できるシステムおよび情報処理の共通仕様を提案すること,の4つの課題に取り組む. 平成16年度は,津溝防災情報システムのプロトタイプとして,リアルタイムで実施する津波シミュレーションシステムの開発を行った.東海地方から九州にかけての沿岸部において発生する巨大地震を想定し,断層の位置やマグニチュード,断層メカニズムを入力するインターフェースから必要情報を入力し,津波高予測をリアルタイムで行い,WEBサーバにおいて表示できるシステムを開発した. また,津波の被害スケールについては,過去の津波事例(1993年北海道南西沖地震,1983年日本海中部地震)を参考にし,津波高さと家屋被害の程度の関係を整理し,対象領域の津波浸水深に対して建物被害率を求めることができる建物被害関数を構築した.
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