2004 Fiscal Year Annual Research Report
ほ乳細胞における複製開始点の同定とその制御機構の解析
Project/Area Number |
16710140
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥野 友紀子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00372524)
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Keywords | DNA複製 / 複製開始点 / マウスゲノム / ヒト人工染色体 / Fluorescence in situ Hybridization |
Research Abstract |
1)第五染色体上の複製タイミングの決定 申請者はマウス第5染色体E5 - F bandの染色体領域間(約8Mb)のDNA複製期中の複製タイミングを、マウス培養細胞L929株でFluorescence in situ Hybridization(FISH)法により決定した。G bandであるE5 bandに位置する領域は複製タイミングが遅く、対してR bandに相当するF bandに位置する領域は早いタイミングで複製した。またその境界はゲノムプロジェクトで同定されたE5-F bandの境界と一致した。レーザスキャニングサイトメータとFISHを組み合わせた解析により、準備的な段階ながら、初代培養細胞(fibroblast)でも複製タイミングの分布がL929株と一致することを示唆する結果を得た。 2)アレイの作成と複製開始点の同定 上記の8Mb領域のうち、特にE5 band(G band)とF band(R band)の境界を含む約1.2Mbの領域の複製開始点を同定するため、DNA arrayを作成している。現在約1Kb程度の断片を含む整列クローンライブラリーを作成中である。今後、S期の異なる時期に複製したDNAを回収・ラベルし、マイクロアレイ上に競合的にハイブリダイズさせて時期特異的な複製産物の相対比を求め、複製開始点の位置を推定する。 3)ヒト人工染色体上の複製開始点の同定 ヒト人工染色体はアルフォイド配列とベクターである酵母人工染色体(YAC)がタンデムに増幅した構造をとっている。DNA fiber法とFISHを組み合わせることで、人工染色体の中で使用される複製開始点の同定を試みた。本年度は複製開始点の同定までには至らなかったが、その過程で、ヒト人工染色体の構造解析を行い、人工染色体が増幅する過程についての知見を得た。
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