2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖を基盤とするケミカルプローブライブラリーの効率的合成法の開発
Project/Area Number |
16710155
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 浩士 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40334544)
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Keywords | コンビナトリアルケミストリー / ライブラリー / オリゴ糖 / Birch還元 / THPリンカー / ケミカルツール / 固相合成 / アミノ糖 |
Research Abstract |
細胞表層に存在する糖鎖は、他の細胞表面に存在する蛋白質や糖鎖と相互作用することにより、細胞の分化誘導、接着などに関わっていることが知られている。したがって、糖鎖が司る機能を制御することは新たな創薬戦略に繋がる。特に、幹細胞の分化誘導に関わる糖鎖は、再生医療において非常に重要なツールとなることが期待できる。そこで、糖鎖の機能解明を目的として、様々な糖鎖を有するケミカルツールが必要とされている。近年のコンビナトリアルケミストリーの発展により、様々な種類の骨格を有する保護糖鎖のパラレル合成が可能になってきている。ケミカルツールライブラリーの構築の構築には、これらの糖鎖の脱保護、および、蛍光分子や基盤への固定化の足掛かりの導入を行わなければ、ならない。しかしながら、無保護の糖鎖誘導体は、高極性で取り扱いが難しため、従来法で、多種類の糖鎖を一度に扱うには、困難である。そこで、本研究では、固相合成法を用いる保護糖鎖の脱保護、そして、ハイブリッド化について検討する。本年度は、メトキシテトラベンジルグルコースを利用して、糖鎖の固相法を利用した脱保護法の開発を行った。DHPと活性化エステルを有するリンカーを利用した2段階での固定化により、溶液中の糖鎖を効率的に固定化することに成功した.続いて、固相担体の脱ベンジル化反応に体する影響を検討した。その結果、ArgoPoreレジンを用いた場合に、目的とする脱ベンジル化反応が効率的に進行することを見いだした。さらに、本手法は、フタロイル基で保護されたアミノ糖の脱保護にも適応可能であることを明らかとした。
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Research Products
(6 results)