2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16710158
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
倉本 誠 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (50291505)
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Keywords | VA菌根菌 / 共生 / バヒアグラス / ペプチド / 糖 / フラボノイド |
Research Abstract |
菌根菌は植物に感染し,養水分吸収を促進させて樹体成長を旺盛にさせるだけでなく,病害抵抗性を付与させ,果実品質などにも好影響を与えることが知られている.この菌の利用により新しい栽培法の構築ができると言われているが,その人工培養が困難であるため共生メカニズムは未だ解明されていない.本研究では菌根菌の宿主であるイネ科植物バヒアグラスを対象として,共生菌に対して直接作用する活性物質・共生関係の鍵となる分子を明らかとすることを目的として研究を展開した. 宿主植物であるバヒアグラスの根を抽出し,VA菌根菌の菌糸成長を指標として分離を行い,糖質,フラボノイド(ユーパリチン),複数のペプチド類に活性を見出した.しかしながら,単離したペプチド類は微量であり活性の詳細な評価には至らなかった.活性の解析を目的として,ペプチド類の合成を行いロイシン,イソロイシン,プロリン,トリプトファン,フェニルアラニンを組み合わせ複数のペプチド類を合成した.現在までに各100mg程度の合成に成功している.特に,ロイシン,プロリン,トリプトファンを組み合わせたものは対照区と比較して5倍以上の活性を示した.同時に菌糸の成長を阻害する物質も見出している. これまでに短時間での大量合成法の確立に成功しており,今後はフィールドでの感染実験と宿主植物の成長を指標とした試験を実施する予定である.また,活性部位についても知見が得られたため,リンカーを用いて樹脂と結合することでアフィニティークロマトが可能となる.これにより,成長促進に関わる高分子を効率的に収集することを計画している.本研究の達成により,共生に関わる分子を明らかと出来ると考えている.
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Research Products
(3 results)