2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNA合成酵素新規分子種選択的阻害物質の探索・分子設計とケミカルノックアウト解析
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16710161
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
水品 善之 神戸学院大学, 栄養学部, 助教授 (20307705)
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Keywords | DNAポリメラーゼλ / 酵素阻害剤 / フェノール系化合物 / クルクミン(Curcumin) / Monoacetyl curcumin / BRCTドメイン / ドッキング・シミュレーション |
Research Abstract |
昨年度の新規DNA合成酵素(DNAポリメラーゼ、pol)分子種群に対する特異的阻害物質のスクリーニングにより、食品素材である「ふきのとう」から単離・精製したフェノール系化合物であるPetasiphenolがpolλを特異的に阻害することを見出した。Petasiphenolと同じフェノール系化合物であり、化学構造が類似しているクルクミン(Curcumin)にもpolλ特異的阻害活性があった。 そこで、クルクミンをリード化合物として、クルクミンの各種誘導体13物質を有機化学合成した。これら13物質のpol阻害活性を評価した結果、Monoacetyl curcuminがクルクミンよりも強いpolλ阻害活性を示した(Monoacetyl curcuminのIC_<50>値は3.9μM、クルクミンのIC_<50>値は7.8μM)。 Monoacetyl curcuminのpolλ阻害活性について、表面プラズモン共鳴センサー装置(BIAcore X)および分子量解析装置(MALDI-TOF MS)を用いて解析したところ、Monoacetyl curcuminは基質である二本鎖DNAに結合するのではなく、polλに結合することによって阻害することがわかった。さらにpolλはN-末側に18kDaのBRCTドメインを有しており、Monoacetyl curcuminはBRCTドメインに結合した。 以上の結果を踏まえて、Monoacetyl curcuminとpolλ・BRCTドメインのコンピュータ・シミュレーションにより結合(ドッキング)モデリングを実施した。Monoacetyl curcuminのアセチル基とBRCTドメインのLys63が水素結合することが示唆された。
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