東南アジアにおける地域主導型図書館モデル

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16710173
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 北村 由美 京都大学, 東南アジア研究所, 助手 (70335214)
• Keywords: 図書館 / 東南アジア / 識字教育 / 社会教育

Research Abstract

本年度はインドネシア・ベトナムにおける臨地調査を行った。国際的な図書館組織であるInternational Federation of Library Associations(国際図書館連盟)が東南アジアで行っている、識字教育を含めたインフォメーション・リテラシーに関する研究プロジェクトに関する情報収集を行った。同連盟のアジア・オセアニア委員会の研究プロジェクト選考会議に参加し、同連盟が識字活動を図書館の役割のなかにどのように位置づけし、東南アジアの地域性のなかでいかにとらえ、どのような対策を考えているのかを検討することができた。
インドネシアにおいては、昨年度は調査対象を政府やNGOによる同様の活動を調査したが、今年度はいくつかの民族団体の活動にしぼって情報収集を行った。多民族・多言語国家であるインドネシアにおいて、特定の民族が出版や読書活動を通じて行っている情報共有活動の実態を調査した。
昨年からの調査結果とあわせ、東南アジアにおける識字教育やインフォメーション・リテラシー教育に関わる先進国ドナー、当事国政府機関、民族団体を含めた各種団体やNGOといった違うレベルの機関の同問題に対する認識の差、アプローチの差などが明らかになってきた。今後の課題は、活動の対象、すなわち教育の受け手の希望が上記の各レベル機関によるプロジェクト内容がどのように合致または齟齬をおこしているのかを検証することである。