2004 Fiscal Year Annual Research Report
カザフスタン共和国セミパラチンスクの被曝実相解明研究:被曝証言調査を通して
Project/Area Number |
16710175
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川野 徳幸 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30304463)
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Keywords | セミパラチンスク / 被爆者 / 被爆証言 / 核被害 |
Research Abstract |
カザフスタン共和国セミパラチンスク地区で被曝証言調査を実施した。核実験にまつわる体験、心残りなこと、現在の生活環境に対する要望等を自由に記述してもらった。設問内容は、日本被団協、旧厚生省、広島市、長崎市が実施した被爆実態調査を参考にした。今年度の調査は、2004年7月18日-21日に核実験場近郊の6村(ズナメンカ、ブラス、ボデネ、モスティク、チェリョムシュキー、グラチの各村)で実施した。その結果、当初予定を上回る237名から被曝証言を収集した。また、13名の被曝者へのインタビューも実施し、貴重な体験を聞くことが出来た。 被曝証言調査と同時にアンケートによる健康調査も実施した。そこでは283件の回答を得た。これは、被曝証言の分析・考察の際の重要な資料となると考えられる。被曝証言の日本語の翻訳、アンケートの集計は既に完了した。現在、次の3つの視点<(1)被曝体験の態様(核実験の存在に対する認識調査を含む)、(2)被曝体験当時と現在の気持ち、(3)健康状況>から考察を進めている。これまでの研究成果の一部は、次頁記載の雑誌にまとめた他、次の学会で報告した。 (1)日本平和学会2004年度秋季研究集会(2004年11月6日、東京)、「カザフスタン共和国セミパラチンスクの核実験被害の実態:被曝証言調査を通して」 (2)The 2^<nd> Dosimetry workshop on the Semipalatinsk Nuclear Test Site (2005/3/9-11), Remarkable Experience for Hibakusha from the Nuclear Tests at the Semiplatinsk Test Site : On the Basis of Questionnaire Surveys また、収集した被曝証言は内容分析のために検索プログラムに入力した。 本研究は、個人史、生活史を含む被曝体験の全体像の解明と被曝の実態解明に大いに資する。
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Research Products
(1 results)