2004 Fiscal Year Annual Research Report
高度経済成長期・都市計画の象徴である「西新宿」の多岐にわたる問題への対応策提示
Project/Area Number |
16710178
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
窪田 亜矢 工学院大学, 工学部, 講師 (30323520)
|
Keywords | 路上生活者 / 自立支援施設 / 東京都 / 新宿区 / ホームレス |
Research Abstract |
本研究では、西新宿を高度経済成長期・都市計画の象徴として捉えている。 そのような西新宿において、路上生活者が日常的に「暮らしている」。それはバブル以降、急激に増加している路上生活者が、これまでの山谷や寿町のように、寄せ場に集まって、そこから路上生活者と簡易宿泊所の行ったり来たりを繰り返す生活を経ての状況ではなく、そうした経験を踏まえずに、いきなり路上に出てきており、状況が変化している。大きな状況変化の対象として西新宿が選ばれたことにも意味があるように考えられる。 そこで本年度は、路上生活者支援施策について、調査した。 東京都が中心となり、23区と協定に基づいて進めている路上生活者支援施策は、主に、緊急一時保護センターなどという名称のもとにハコモノを建設し、路上生活者を収容し、就労自立を前提とした対応を行うものである。しかし、ハコモノの環境(立地状況、建築の質)や、中で行われているプログラムは、路上生活者のニーズに適したものではなく、検討すべきであるとの結論に至った。 政治的な状況も大きく影響するため、支援施策の改善は、必ずしも理論通りになるものではない。 しかし、現在、東京都が進めている地域生活移行支援事業は、路上生活者を地域の生活に帰していく、という、極めて本質的なテーマを追い求めていると考えられ、今後も調査、評価を行っていく必要がある。
|