2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16720016
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
谷口 智子 愛知県立大学, 外国語学部, 講師 (00363911)
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Keywords | アンデス / 千年王国 |
Research Abstract |
1570年代にペルーで起こったタキ・オンコイ以来、ビルカバンバの戦いや1742年のフアン・サントス・アタワルパの反乱、1750年代のワロチリ地方の反乱や1780年のトゥパク・アマルーの反乱、現代のインカリ神話にいたるまで、先住民の立場からスペインの植民地主義に対する批判がさまざまな形で現れている。そのため、研究代表者はこれらの思想・運動を、単なる反植民地主義の政治運動にとどまらない、神話、宗教のレベルからの土着的価値世界の復活・再生運動と見なしている。そのため、これらを総括した「アンデスにおける千年王国の思想・運動」の研究を、祭儀や芸能、文学、民話などにおいて体系的に明らかにする必要がある、と認識している。さらに、この研究を他地域の千年王国思想・運動と比較するために地域研究の一環として基礎付けている。 研究代表者はこれまでのところ、スペイン植民地支配時代の中南米(とフィリピン)における千年王国思想・運動について、宗教学とラテンアメリカ地域研究の立場から研究している(平成15年度はフィリピンにて現代の千年王国運動に関するフィールドワークを行った)。平成16年度は、植民地期ペルーにおける千年王国思想・運動研究の手始めとして、「タキ・オンコイ関連史料集」を翻訳、分析した。Luis Millonesの編集したEl Retorno de las huacas : Estudiosy Documentos del siglo XVI(Tarea,1990)を基本資料とする「タキ・オンコイ関連史料集」を作成し、基本資料の西文→和文翻訳とデータ化、分析作業を行った。
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