2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヴィクトリア朝イギリスにおける居住空間と階級意識表象との関係の分析
Project/Area Number |
16720067
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
三宅 敦子 西南学院大学, 文学部, 助教授 (10368970)
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Keywords | 英米文学 / 19世紀 / 階級 |
Research Abstract |
今年度は以下の研究を行なった。 1.昨年度購入した『ロンドン万国博覧会(1851年)新聞・雑誌記事集成』を読み、当時のタイムズ紙、イラストレィティッド・ロンドン・ニューズ紙、パンチ誌などで、商業生産品をめぐる趣味の向上についての議論がかなりの数で存在し、その議論が1851年のロンドン万国博覧会を機に高まったことを突き止めた。しかもその議論はそういった生産品を生み出す立場にいる労働者階級を教化しようという目的も持っており、ロンドン万国博覧会はその路線で実施されたことを突き止めた。この内容に関して平成17年12月に英語圏文化研究会で発表し、その内容を論文で『西南学院大学英語英文学論集』第46巻第3号に発表した。 2.上記記載の趣味の向上についての議論が主として室内装飾という分野で盛んであり、ロンドン万博開催に向けてThe Journal of design and manufacturersという雑誌が発行されていたことも判明した。 3.またこういった議論はジャーナリズムにおいてだけでなく、ヘンリー・メイヒューが小説『1851』を書きそこで論じていることも判明した。それについての論文を『西南学院大学英語英文学論集』第46巻第2号に発表した。 4.上記3点に関する資料を集め、昨年度に購入したEndNoteでデーターベース化した。 5.平成18年3月には、ヴィクトリア朝研究会(於:成蹊大学)で、昨年度購入した書籍Inside the Victorian Homeの文献解題を行った。 6.卒業論文指導に関して、室内装飾と階級の観点からエリザベス・ギャスケル著『北と南』を扱う学生を指導する際にこれまでの研究成果を踏まえて指導した。
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