2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16720114
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 智之 名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (20241739)
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Keywords | 主語 / 格 / 一致 / 補文標識(C) / 時制(T) / 主格 / 主格付き不定詞 / 主格独立構文 |
Research Abstract |
本年度の研究においては、主語の格と一致の認可に関して、従来のTによる認可システムの代案として、これまでに得られた証拠に基づいて暫定的なCによる認可システムを提案した。具体的には、西ゲルマン語やケルト語の補文標識一致現象から、Cが主語の一致の認可に関与していることが示された。さらに、現代英語における主語省略現象からは完全なTがあってもCがなければ主格が認可されず、英語史における主格付き不定詞と主格独立構文からは完全なTがなくてもCがあれば主格が認可される、という2つの重要な結論が得られた。以上の証拠にもかかわらず、主語の認可にはTとの一致が必要であるということが、現代英語における空所化構文やfor to不定詞に関する考察から明らかとなった。そして、前述の英語史における主格付き不定詞と主格独立構文は、非定形節であるにもかかわらず主格主語を持つという点で特異な振る舞いを示すが、それらが定形節と同様の発話の力を持つという観察から、主格の認可には定形のCが重要な役割を果たすことが示された。したがって、本年度の研究成果としての暫定的な主語の格と一致の認可システムは以下のようになる。まず、vP内にある主語がTと一致することによりTのファイ素性を削除し、TのEPP素性を満たすために主語はTP指定部へと繰り上がる。(この時点では主語の格素性は削除されない。)次に、TP指定部の主語がCと一致することによりCのファイ素性を削除し、主語の格素性も同時に削除される。
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Research Products
(3 results)