2004 Fiscal Year Annual Research Report
カタカナ語が英語教育にもたらす課題と展望-コミュニケーション能力育成の観点から
Project/Area Number |
16720136
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内田 恵美 早稲田大学, 政治経済学術院, 助教授 (00350405)
|
Keywords | カタカナ / カタカナ英語 / 英語教育 / コミュニケーション |
Research Abstract |
カタカナ英語は増加する一方である。理解困難なカタカナ英語の存在意義は問われ、それは国立国語研究所による目本語への言い換え案に示される。英語教育においても日本ではカタカナ英語が英語学習に役立つとの認識はあまりなく、むしろ妨げるものと考えられることが多い。 しかし近年英語が地球規模でリンガ・フランカとして使われるようになってきた。それに伴い、シンガポール英語やインド英語など様々なWorld Englishesが英米語同様の言語的地位を確立するべきだとの考えが広まってきている。日本英語(Japanese English)も例外ではなく、その特徴の一つとしてのカタカナ英語には関心が広まっている。 ヨーロッパ言語間における同族語、借用語は、外国語教育に役立つと考えられ、教材にも活かされてきた。本研究ではカタカナ英語の英語学習における役割、とくにコミュニケーション能力への影響を調べる。そして英語教育に役立つ提言に結びつけたい。2004年秋学期後半に研究費助成が決定したため、計画が少し遅れてしまった。しかし今年度は2005年度4月よりデータ収集を始められるように、先行研究資料収集と呼び実験を行った。 2,月にはカナダのトロントにてカナダ英語の社会言語学学会に出席した。カナダはアメリカ合衆国と歴史的、地理的に深い関わりがあるが、カナダ英語は音声的、語彙的に米語とは異なる特徴を保っている。英語が母国語のカナダと、外国語の日本とは状況は異なるが、独自の英語を作り出した過程や、また調査方法などは共通点も多く、本研究に役立てたい。また3月にはイギリスのロンドン大学、オックスフォード大学、エセックス大学にて資料収集を行った。また予備実験として日本人大学生約100人にカタカナ英語が英語教育に及ぼす役割についての意識調査を行った。 2005年度はこれらの調査をもとにして本実験を行い分析する。
|