2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンピューター利用の対話形式の談話構造の特徴と第二言語習得への応用利点の検証
Project/Area Number |
16720138
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北出 慶子 立命館大学, 文学部, 講師 (60368008)
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Keywords | オンラインインターアクション / 第二言語習得 / 第二言語学習 / インターネットチャット / 電子メール / 会話分析 / 談話分析 |
Research Abstract |
インターネットの普及とともに、インターネット媒介のインターアクションと第二言語学習の研究がここ数年の間に、日本ではまだ少ないが欧米で急速に増加している。本研究では特に2000年以降の文献調査が重要となることから、今年度は欧米を中心に文献収集し、先行研究の結果をまとめた。また、パイロット実験として、日本語を第二言語とする留学生と日本語母語話者のインターネット掲示板BBSを行い、以前の研究で得たチャット及びメールのデータと比較した。先行研究結果及びパイロット実験から、以下の点及び調査方法が明確になった。 1 インターネットチャット(同時性)、インターネット掲示板BBS(非同時性)、電子メール(非同時性)、面と向かっての会話、コンピュータを使っての作文、という異なるインターアクションの種類別の特徴及び第二言語習得上の利点・非利点。 2 インターネット媒介のような新しい会話形態の中でできるコミュニティーを民俗学的なアプローチで調査し、このコミュニティー内で母語話者と非母語話者がタスク遂行・言語学習・意志の疎通に関してどのような役割遂行を行い、どのような関係を構築しているかを会話分析を用いて観察する。 3 2のような民俗学的アプローチでは、研究の主旨である「言語クラスでオンラインインターアクションを応用する」点を考慮し、データは教室というコンテキストから切り離すべきではない。従って、 (1)データは教室内で収集する。これにより研究結果はより実際の教室活動に適用しやすくなる。 (2)チャットやメールのデータだけでなく、チャットやメール活動を行う時の言語学習クラス内での学習者、及び学習者間の行動もデータとして記録・収集する。 (3)参加者のインサイダー的視点の重要性から参加者へのアンケート及びインタビューを実施し、分析する。 以上の点を含めて、2005年度はデータ収集及び分析を行う予定である。
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