2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンピューター利用の対話形式の談話構造の特徴と第二言語習得への応用利点の検証
Project/Area Number |
16720138
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北出 慶子 立命館大学, 文学部, 講師 (60368008)
|
Keywords | 第二言語習得 / コンピュータ媒介インターアクション / 日本語学習 / 非共時性インターアクション |
Research Abstract |
平成17年度は、平成16年度のパイロット・スタディの結果から新たなデータ収集を行った。パイロット・スタディで収集した総合的なデータ分析から、インターネット上の学習者のインターアクションだけではなく、コンピュータを媒介としたインターアクションに参加しながら同時に行われる学習者間での口頭対話が第二言語習得上、重要な役割を行っていることが明らかになった。 この結果をもとに、平成18年度は、学習者間の対話を可能にするため日本語学習者を2人一組のペアにし、タスクベースの非共時性のコンピュータ媒介インターアクションに参加させ、オンライン(BBS)とオフライン(学習者間の口頭対話)両方のデータを収集した。更に、このようなオンラインとオフラインの両方が使い分けできる環境においてLREs (language Related Episodes)という言語的な部分に焦点があたっているメタ言語エピソードが、談話構造上どのような形で遂行されているか、また学習者個々人のLREsに基づいて作成されたポストテストを2週間後に行い、このようなLREsがどの程度、習得されたのかを分析した。 このデータ分析から、従来の口頭対話におけるメタ言語エピソードとは異なる特殊な談話構造とその第二言語習得上の利点が明らかになった。また、ポストテストでは、85%という高い正解率を得ることができ、この特殊なメタ言語エピソードと第二言語習得の関係が示唆された。また、参加学習者のインタビューとアンケートから、どのような要因がこのようなメタ言語エピソードの量や質に影響するのかについても検討した。 以上の結果をもとにプロポーザルを作成し、平成18年度8月のJoint American Association of Applied Linguistic and Canadian Association of Applied Linguistic 2006 conferenceの学会にて発表が決まっている。
|