2005 Fiscal Year Annual Research Report
意味構造と統語構造のリンキングの獲得における形態素の役割について
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16720139
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
庄村 陽子 (一瀬 陽子) 久留米大学, 外国語教育研究所, 講師 (30368881)
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Keywords | 第二言語習得 / 形態素 / 項構造 / インターフェース / 自他の交替 / 統語構造 / 明示性 / 使役構造 |
Research Abstract |
研究計画に基づき、今年度は主に海外及び国内での実験調査を実施した。まず、調査実施を8月下旬の夏休み期間と定め、4月から8月中旬までをその準備期間と定めた。今回は3種類の異なる調査を実施する予定で計画を進めた。まず英語話者日本語学習者、中国語話者日本語学習者、そして統制群としての日本語話者の3グループを対象にした日本語調査、次に日本語話者英語学習者、中国語話者英語学習者、そして統制群としての英語話者の3グループを対象とした英語調査、最後に英語話者中国語学習者、日本語話者中国語学習者、そして統制群としての中国語話者の3グループを対象とした中国語調査である。次に調査を実施する地域の選考を行った。これらの被験者が一度でできるだけ多く得られる地域、また夏休み期間中にも授業を行っている地域という条件を考慮した上で、オーストラリアが最もふさわしいという結論に至った。そこで以前共同で研究を行ったことのある研究者の協力も得て、アデレード大学で実施することに決定した。調査項目は日本語版、英語版、中国語版と3つの異なる言語で作成する必要があった。日本語版は別として、英語版、中国語版に関してはどちらの言語においても母語話者ではないということで、ネイティブ・スピーカーに点検又は作成上のご協力をいただくことにした。特に中国語に関しては初心者であるため、同僚の中国人教師と何度も検討を繰り返しつつ作成した。調査項目の具体的内容としては、先行テストとして各言語の簡単な熟達度診断テスト、10問程度のPicture-cued TaskとAcceptability Judgment Testの3種類の問題が盛り込まれた。 予定通り8月下旬にオーストラリアのアデレードで調査は実施され、滞在期間1週間で計90名近くの被験者に協力いただいた。その際、日本語話者英語学習者、日本語話者中国語学習者、中国語話者日本語学習者、統制群としての日本語話者の4グループに関してはかえって勤務校の方が集めやすいため、あえて調査を実施しなかった。帰国後、残りの4グループを対象に調査を実施し、平成18年1月をもってほぼ目標人数分のデータが入手できたため、調査を終了した。その後、データ分析を開始するにあたって、SPSS等のソフト、プリンター、ファイル等を購入した。来年度の発表、論文作成に向けて現在、データ分析を進めているところである。
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