2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロックフェラー財団による国際的人材育成援助とその効果に関する史的研究
Project/Area Number |
16720143
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 彩 北海道大学, 留学生センター, 助教授 (10326788)
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Keywords | ロックフェラー / 人材育成 / 国際援助 / 戦間期 |
Research Abstract |
本年度は、ロックフェラー財団の戦間期医療事業に関わるフェローシップに関する資料蓄積を中心に次のような活動を行った。 1.ロックフェラー・アーカイヴ・センター(NY)での資料調査(平成16年8月)では、本研究の主な分析対象となる資料にあたった。まず、ロ財団の年報や通信等を、フェローシップ・プログラムの全体像把握のために閲覧した。また、フェローシップ授与者を特定し、彼らの米国滞在中の活動を知るため、受給者リスト、個々の受給者の米国滞在中の活動を記録したフェローシップ・カードを閲覧した。この他にも、センターでは有用な関連文献や資料にあたった。ここで得られた情報は、現地にてパソコンで記録、あるいは複写依頼した。 2.国立国会図書館(東京)での資料調査(平成17年2月)では、主にロ財団の第2次世界大戦前の歴史に関する先行研究をあたったが、日本では、この時期の財団に関する本格的な歴史研究がほとんどないことが明らかになった。 3.文献購入、図書館や電子ジャーナルの利用を通して、ロ財団、医療史、看護史、医療に関わる人物伝、「慈善」に関わる先行研究も随時調査、収集した。 4.本年度得られた日本人に対するフェローシップ・プログラムの授与傾向についての発見と、以前の研究をもとに、平成17年6月に開催されるバークシャ女性史会議における報告原稿を作成した。 来年度に向けて 本年度蓄積、整理した資料から、フェローシップ授与による財団自身の日本での活動におけるメリットや、財団の世界的戦略におけるこのプログラムのねらい、長期的な視点に立った日本社会に対する変化への期待などを、論じることが出来るだろう。これらを、人的ネットワークにも注目して、どこまで横断的に分析することが出来るかが、2年目の大きな課題である。
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