2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16720166
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
阿部 幸信 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (60346731)
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Keywords | 衣服制度 / 車駕制度 / 秦漢時代 / 位階序列 / 儀礼 / 正統観 / 身分制 / 古代国家 |
Research Abstract |
研究実施計画書に基づき、以下のように研究を遂行し、今後の展望を得た。 [文献研究]『史記』『漢書』『後漢書』の印綬制度に関係する記載の整理、および、『後漢書』輿服志にみえる車服制度の一覧表作成を行った。 [考古史料研究]1950年代に『考古』『文物』誌に掲載された発掘記録を精査し、車服制度にかかわる遺物のデータベース化を行った。 [実地調査]9月に故宮博物院(台北)、11月に寧楽美術館・奈良国立博物館(奈良)・中国歴史博物館・古陶文明博物館(北京)、12月に東京国立博物館(東京)、3月に打虎亭漢墓・河南省博物館(鄭州)において、それぞれ関連遺物の閲覧・調査を行った。 [成果の公表]本年度中に雑誌等に掲載された成果はない。現在、(1)前漢初期の車服制度に関するもの、(2)『後漢書』輿服志の内容に関するもの、の2本を投稿準備中である。 [今後の課題]研究はほぼ計画どおりに進行しているが、文献研究の進めかたには課題が残った。正史類のみならず、古典籍のテキストの電子化は急速に進展しており、逐字・逐語検索が簡便に行えるようになっているため、その記載をデータベース化することの積極的意義が失われつつある。一方、漢代車服制度に関する和文文献は、そのデータがまとめられておらず、収集が困難であった。来年度の文献研究については、古典籍の記載の整理は制度の復元にかかわる一覧表の作成作業にとどめる一方、和文文献のデータベース作成に注力したいと考える。
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