2004 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀初頭の朝鮮植民地化過程における山東華僑の活動
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16720168
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石川 亮太 佐賀大学, 経済学部, 助教授 (00363416)
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Keywords | 華僑 / ネットワーク / アジア域内市場 / 同順泰 / 奎章閣 / 中央研究院近代史研究所 / 清季駐韓使館档案 |
Research Abstract |
本年度は主に研究課題に関する文献資料の調査を行ったため、その結果を中心に報告する。 まずソウル市では、ソウル大学奎章閣に所蔵される華商同順泰の経営資料を閲覧し、1880年代から1900年代にかけての取引文書(送り状・決算計算書など)を確認することができた。従来、当該時期における朝鮮華商の取引先は上海が中心だと考えられていたが、本資料からその取引先が日本開港場も含む東アジア全体に及んでいたことが判明した。そしてその取引・決済機構が、取引先華商の構成するネットワークと、日本企業の提供する近代的貿易サービスとを補完的に組み合わせて成立していたことも明らかになった。同時期に朝鮮をめぐる国際市場が成立してゆく過程で、朝鮮に進出した華僑と日本企業とがどのような役割を果たしたかを明らかにする上で、本資料から得られた知見は重要な示唆を与えるものといえる。なおこの分析結果の一部は「朝鮮開港後における華商の対上海貿易」として公刊される(2005年3月末発行予定、本報告書11参照)。またソウルでは、上述の文書館調査と並行して、現地の華僑団体を訪問して予備的な聞き取り調査も行った。植民地期について本格的に聞き取り調査を行うのはかなり困難を伴うことが判明したが、その対応は次年度以後の課題である。 また台北市では、中央研究院近代史研究所档案館にて2004年に新規公開された「清季駐韓使館档案」を調査した。本史料群は19世紀末〜20世紀初の在ソウル清朝公使館に蓄積された外交文書であり、現地の華僑活動や関係政策については、従来公開されてきた清朝本国側の文書に較べ飛躍的に詳細な情報を得られることが確認できた。その本格的分析は次年度以後の課題である。
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