2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16720169
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森 和 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (10367146)
|
Keywords | 出土文字資料 / 楚文化 / 数術 |
Research Abstract |
平成16年度は、子弾庫楚帛書群関連論文・先行する種々の釈文の収集を行い、出土状況および研究史を整理し、あわせて楚系文字資料のデータベース化を進めた。そして7月24日に開かれた早稲田大学長江流域文化研究所主催の21世紀COE関連シンポジウム「楚文化研究の現在」で「子弾庫楚帛書の資料的性格について-占書と暦-」と題する報告を行った。そこでは、従来その特殊性ばかりが強調される子弾庫楚帛書について、月名の問題を契機に日書に見える戦国楚で行われていた占いの起点を比較検討し、その資料的性格を考察した。その成果は『長江流域文化研究所年報』第3号に掲載された また「子弾庫楚帛書三篇の関係からみた資料的性格について」と題する小論を『史滴』第26号に発表した。そこでは、楚帛書を構成する三篇について基礎的検討を行い、従来様々な視点から解釈が試みられてきた各篇の論理的繋がりを明らかにし、楚帛書を「人々の行動を制約する規範について述べた文書」と位置付け、日書に含まれる多種多様な占卜との比較により、両者の共通性や相違点から、楚帛書に関与した巫祝集団の戦国中期以降の楚における実情を考察した。この小論で考察した楚吊書の資料的性格や数術関連資料との関係は今後各篇の個別具体的問題の検討を進めていく上での基本的視座となるものである。
|