2004 Fiscal Year Annual Research Report
石刻史料を用いた西魏・北周・隋代の兵制に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16720170
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
平田 陽一郎 沼津工業高等専門学校, 教養科, 講師 (50353280)
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Keywords | 西魏 / 北周 / 随 / 石刻史料 / 兵制 / データベース |
Research Abstract |
研究初年度にあたる16年度においては、まず西魏・北周・隋代の石刻史料を網羅的に収集する作業を遂行した。その手順は、第一に楊殿しゅん編『石刻題跋索引(増訂本)』を参照しつつ、『石刻史料新編』所収の石刻書から1940年代以前より知られている当該時代に関わる石刻史料をすべて採録することからはじめ、つづいて中華人民共和国成立後の新出石刻史料についても、基本的な部分を先学諸氏作成の目録に負いながら、『考古』『文物』といった中国刊行の研究雑誌に載せる発掘簡報などからの情報収集に努めた。 その結果、リストアップされた石刻史料の総数は優に1,000点を超える。この膨大な史料の1点1点につき、史料名、王朝名、紀年、出土地点、原石・拓本の有無、所収などの各種データを、データベースソフトに入力する作業を現在継続中である。間もなくの完了後には、簡単かつ迅速に貴重な情報を管理・検索出来るようになる見込みである。 ただし、これを本来の研究目的である西魏・北周・隋代の兵制研究に活用するには、史料の内容にまで踏み込んだ考察を経て、兵制に関わる具体的なデータを抽出、入力する必要がある。多大の労力を要すると予測されるが、考察に欠かせない石刻拓本図版などは、本年度中にすでに購入もしくは複写して収集・整理済みである。次年度前半において研究の基礎となるデータベースを完成させ、後半には一定量のデータが得られた事項のうち、当該時期の兵制を明らかにするうえで特に重要な意義を持つと予想されるものについて、詳細な検討を加えていきたい。
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