2004 Fiscal Year Annual Research Report
キリスト教海外ミッションにおける女性の役割と近代的家族モデルの普及
Project/Area Number |
16720177
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
並河 葉子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10295743)
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Keywords | ミッション / ジェンダー / 女性 / 家族 / イギリス帝国 |
Research Abstract |
今年度は、イギリス系のプロテスタントミッションが海外において活動するさい、女性たちがどのような役割を果たしていたのか検証するため、主として伝道協会の年次報告書および宣教師名簿を使い、伝道協会が海外に派遣したスタッフたちにどのような役割を期待していたか、また具体的に女性たちにはどのようにミッション活動にかかわったのかを検証した。そこからは、19世紀前半、ミッション現場における女性たちは原則として宣教師の「妻」として家庭責任を負いつつ、夫妻で積極的に非ヨーロッパ世界における活動を展開していたこと、さらに19世紀後半になると女性たちはみずから経済的に独立した「宣教師」へと19世紀を通じてみずからの立場を変化させていくことが明らかになった。さらにかのじょたちはその間、一貫して非ヨーロッパ世界に一夫一婦制に基づくヨーロッパ型の家族モデルとジェンダー役割を浸透させることを期待されていたことが明らかになった。(詳細は、「ジェンダーの「帝国」」川北稔、藤川隆男編、『空間のイギリス史』山川出版社、2005年所収参照。)
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