2004 Fiscal Year Annual Research Report
日系アメリカ人立ち退き・収容をめぐる第2次世界大戦時の日米プロパガンダ戦争
Project/Area Number |
16720179
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
水野 剛也 文教大学, 情報学部, 講師 (90348201)
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Keywords | 日系アメリカ人 / 日系人 / 立ち退き・収容 / 第2次世界大戦 / プロパガンダ / 情報操作 / ジャーナリズム / マスメディア |
Research Abstract |
3年計画の1年目として、平成16年度は、主として未見の先行研究の収集に力を注ぎ、第2次世界大戦中の日米プロパガンダ戦に関して、これまで明らかにされてきた主要な知見や学説のレビューを行った。これは、本研究のテーマを日米間の戦時宣伝活動の全体像の中で位置づけるために必要不可欠な作業で、いわば研究全体を支える土台作りにあたる。 この作業と平行して、戦時中の日米プロパガンダの内容を分析するために、一次史料の収集も行った。本年度は、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるUCLAのチャールズ・E・ヤング・リサーチ・ライブラリーに約1ヵ月間滞在し、連邦通信局(FCC)が傍受していた日本からのプロパガンダ放送の記録などを収集してきた。 以上のように、本年度は文献や史料の収集に専念するつもりであり、実際にそうしたが、その一部を論文としてまとめ、審査つきの学会誌に掲載できたことは予想外に大きな前進だった。タイトルは「第二次世界大戦初期のアメリカ政府による日本語新聞の利用事実統計局(OFF)および初期戦時情報局(OWI)の情報提供と編集介入を中心に」で、『マスコミュニケーション研究』(第65号、2004年:116〜132ページ)に掲載した。本論文では、アメリカ政府が日系人の日本語新聞を利用して日本のプロパガンダに対抗しようとしていた事実を明らかにした。 また、アメリカの学会(AEJMC)で"To suppress or Not to Suppress, That is the Question : Pros and Cons over the Suppression of the Japanese-Language Press from Pearl Harbor to Mass Evacuation"という題目の論文を口頭発表した。この論文も審査を通過したものである。
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Research Products
(1 results)