2004 Fiscal Year Annual Research Report
古墳時代鉄製武具類の基礎資料整備と総合的編年の構築
Project/Area Number |
16720183
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪口 英毅 京都大学, 文学研究科, 助手 (50314167)
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Keywords | 古墳時代 / 鉄製武具類 / 基礎資料整備 / 統合的編年構築 / データベース / 甲 / 冑 / 付属具 |
Research Abstract |
平成16年度は、基礎資料整備と総合的編年構築という研究上の二つの柱のうち、前者に重点を置いて研究活動を進めた。科学研究費補助金の交付を受ける以前から作成していた、古墳出土の各型式の甲冑・付属具など鉄製武具類のデータベースについて、データそのものの更新・追加と、その表示形式の検討・改良を進め、より実用性・汎用性のあるデータベースを目指した。しかし、まだ十分とはいえず、さらなる資料検索や改良の余地がある。とくに画像データとのリンクなどについては、今後の課題である。また、昨今の大規模な市町村合併による行政区分の変化が、出土地のデータに与える影響は非常に大きい。 データベース作成の過程で、新たな出土資料や、編年作業をおこなう上で鍵となる重要資料については、関係各機関のご協力を得て、資料調査を実施した。鳥取県鳥取市倭文6号墳・岐阜県池田町中八幡古墳などが、その代表例である。これらのうち、三重県伊賀市石山古墳出土の小札革綴冑と長方板革綴短甲については、関係機関のご協力のもと、成果を「石山古墳出土甲冑の概要と意義」として公開することができた。その中に、小札革綴冑(13例)と長方板革綴短甲(53例)の集成表を掲載し、作成中のデータベースに蓄積している内容の一端を公表した。 また、編年作業に取りかかるための前提的な作業として、古墳時代中期以降には甲冑との共伴例が多く、また朝鮮半島の古墳編年との整合性を図る上でも欠かすことのできない馬具について、その研究史の整理を目指し、関連文献の目録を作成した。
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