2004 Fiscal Year Annual Research Report
初期国家形成期における島嶼地域社会と長距離交易形態変容のシステム論的研究
Project/Area Number |
16720189
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
新里 貴之 鹿児島大学, 埋蔵文化財調査室, 助手 (40325759)
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Keywords | 初期国家形成期前夜 / 土器編年 / 墓制 / 交易システム / 生業 / 砂丘遺跡 / 島嶼地域 / 社会的背景 |
Research Abstract |
2004年度は,歴史時代初期国家形成に至るプロセスを把握するため,まず,土器研究を行って時間軸を設定し(「沖縄諸島の土器」小学館『考古資料大観 12 貝塚後期文化』,「広田遺跡出土土器の型式学的編年」『南島考古だより』第72号,「南部九州〜沖縄諸島地域の土器:弥生時代〜古墳時代」,第5回沖縄考古学会・鹿児島県考古学会合同学会研究発表資料集),沖縄・鹿児島においてそれぞれ1本の研究発表を行った(2004年度沖縄考古学会総会,第5回沖縄考古学会・鹿児島県考古学会合同学会20周年記念大会)。 また,夏・冬にかけて徳之島伊仙町喜念・佐弁砂丘一帯遺跡の発掘調査を行い,貝塚と墓域を確認することができた。これらは貝塚⇒墓域というように時期差をもって形成されており,墓は南西諸島において初出形態の墓式であると考えられた。そのため,この遺跡の発掘調査概要を作成し(「徳之島伊仙町喜念・佐弁砂丘一帯遺跡トマチン地区発掘調査概報」『奄美ニューズレター』No.15),また,この墓の位置づけを行うべく,南西諸島地域の先史時代墓制の集成を試み(「南西諸島における先史時代墓制の集成」『東南アジア考古学研究会報告』第2号),その地域ブロック単位での詳細な分析を行った(「南西諸島の墓制(I)-大隅諸島-」『地域政策科学研究』第2号)。 また,本科研費研究の目的のひとつである,交易システムの変化の画期を把握することを目指し,日本人類学会の琉球セッションにおいて,「島嶼地域における交易システムの変動」と題した発表を行い,主に交易の変化の外的要因について整理することができた(第58回日本人類学会)。また,歴史時代の個別研究については,先島諸島地域を中心とし「グスク土器」の煮沸形態の変化と消長,その社会的背景について考察した(「先島諸島におけるグスク時代煮沸土器の展開とその背景」『グスク文化を考える』新人物往来社)。
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Research Products
(7 results)