Research Abstract |
平成16年度は,主に基礎的な研究を行ない,具体的には,以下の4つの作業を実施した。 第一に,ベトナムにおける予備調査を8月1日から17日まで行なった。対象予定地域としていた,ベトナム北部の紅河デルタに位置する,ハイズオン省タインミエン県ゴークエン社(行政村)を訪れ,同社人民委員会(日本の村役場に相当)の幹部や,その下位単位である6つ村の役員に聞き取りを行ないながら,農業依存度が相対的に高く,社会的連帯が強くみられるという経済・社会状況や,土地台帳をはじめとした土地資料の入手可能性が高いという点を考慮して,インテンシブな調査を実施する村を選定した。また,空中写真や地形図,関連資料をハノイのベトナム国家図書館や,人文社会科学図書館,地図局で収集した。 第二に,本研究に必要な基本図の作成を行なった。ベトナムでは,地形図や空中写真の取り扱いに制限があるため,作業の中心はパソコン上で行うことになる。そのために,まず画像編集も可能な性能の良いノートパソコンを1台購入して,調査研究環境を整備した。そのうえで,現有のスキャナ,プリンタ,デジカメといった機材も併用し,予備調査で入手した資料を利用して,研究対象地域のデジタル基本図(ベトナム全土,タインミエン県,ゴークエン社,対象村)を作成した。また,現地調査で入手した資料の整理を行なうとともに,空中写真や地形図を利用して,スードン(日本の小字に相当)ごとの小縮尺のデジタル地図の作成にも着手した。 第三に,平成17年2月10日から20日まで現地調査を行い,本研究の重要な資料となる土地台帳や,ゴークエン社および対象村の行政資料の一部を入手した。
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