2005 Fiscal Year Annual Research Report
「民俗芸術」概念の再検討による芸術・娯楽の民俗学の可能性
Project/Area Number |
16720210
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真鍋 昌賢 大阪大学, 文学研究科, 助手 (50346152)
|
Keywords | 民俗 / 芸術 / 思想・実践史 / 娯楽 / 研究者の認識論 / メディア / ポピュラーアート |
Research Abstract |
I 本年度申請書における研究目的の項目に対応させて以下に実績を記す 本年度も「民俗芸術」概念の歴史・社会的な位相の検討と内実の分析から、その概念にはらまれている思想・実践・方法の可能性について検討した。 (1)「民俗芸術」概念の定位のための文献資料収集 本年度は、「民俗芸術」概念の思想的な位置を分析するために、『民俗芸術』投稿者の執筆論文、執筆書および「民衆芸術」論関係の文献収集をおこなった。 (2)「民俗芸術の会」の思想と実践についての基礎的な考察 詳細はII参照。「民俗芸術会議Congress of Popular Arts」報告書の部分翻訳依頼を昨年同様におこなった。 (3)「民衆娯楽」「民衆芸術」概念についての基礎的な考察 「民衆芸術論争」の思想史的位置づけを確認し、芸術の生活化/生活の芸術化に関する議論のなかに「民俗芸術」を再配置する考察をはじめた。 (4)両大戦間期の具体的な娯楽・芸術の考察 複製技術時代の芸能演者の実践を特に観客論的な視点から考察し、発表をおこなった。 2005.5.28「人はいかにして<客>になるのか-近代日本芸能史の受容史観についての対話-」京都市立芸術大学 プロジェクト研究「近代日本における音楽・芸能の再検討」(於京都市立芸術大学) 2005.12.22「声の文学としての語り物」国際フォーラム「アジアの表象/日本の表象」(チュラロンコン大学、タイ国) II 本年度の実績総括 これまでおこなった研究会の成果として『日本学報』25にて特集「「民俗」と「芸術」の節合と相克:1920-30年代」をコーディネートして6人の論説を掲載した(研究代表者の論説を含む)。「民俗芸術」概念の受容の前提となっている両概念についての理解を深めることの必要性がいっそう明らかになってきた。
|
Research Products
(3 results)