2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16720215
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
藤井 弘章 國學院大学, 日本文化研究所, 専任講師 (00365511)
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Keywords | ウミガメ / 食習俗 / 祭祀 |
Research Abstract |
本研究は、日本におけるウミガメの捕獲、食に関する実態を映像や文字で記録するとともに、祭祀にかかわる食習俗についても記録することを目的として開始した。研究代表者は、これまでも日本列島各地で、ウミガメの捕獲、食にまつわる聞き取りを行ってきたが、本研究では、ウミガメの生態学研究グループである日本ウミガメ協議会の全面的な協力を得て、捕獲、解体、食にかかわる場面の映像記録をとることにした。平成16年度には、和歌山県串本町と高知県室戸市において、アカウミガメの捕獲・食に関する現地調査を行った。このうち、和歌山県においては、漁船に同乗してアカウミガメを捕獲する海域まで同行した。和歌山県南部では、昭和40年代まではアカウミガメを捕獲し、食することが多かったが、現状では、捕獲頭数が制限され、若い人は食べなくなってきている。しかし、漁船に同乗することで、熱心にウミガメ捕獲にかかわっていた漁民の心意を垣間見ることができた。また、高知県では、アカウミガメの解体場面とカメ鍋の様子を参与観察することができた。高知県でもしだいにウミガメを食する習俗はなくなってきており、貴重な記録をとることができた。また、高知県における、ウミガメ食の地域的分布もしだいに分かってきた。さらに、ウミガメ食に関する資料とデータを全国的に収集している。次年度は、和歌山県串本町におけるアカウミガメ捕獲と解体に関する場面を撮影することを計画している。また、今年度から準備を進めている沖縄県石垣島や、鹿児島県種子島にも現地調査に赴くことも予定している。
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