2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小倉 一志 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助手 (20360886)
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Keywords | 憲法学 / 表現の自由 / サイバースペース / インターネット / パソコン通信 |
Research Abstract |
現在のIT革命と呼ばれる、コンピュータをコミュニケーションツールとして活用しようとする社会の流れないし現象を憲法のレンズを通してみると、サイバースペースがきわめて民主的なメディアであり、様々な情報を誰もが低コストで送受信できる点が特に注目される。わずかな資力と設備しかもたない一個人さえもが、世界中の不特定多数の人々に向けて自己を表現することができ、それと同時に、受け手としても従来のマスメディアには見られないような、多様な観点にもとづく多彩な表現内容を入手することが可能となりつつある。しかしながら、その一方で、わいせつな表現や名誉毀損的表現、あるいは差別的表現等もサイバースペース上で流通していることも事実である。わが国においてもサイバースペース上のこうした表現をめぐる紛争・訴訟が生じるようになってきており、これに対する法的手当ても始まっているが、学説側の対応は未だ不十分であるように思われ、アメリカにおける状況と比較すると極めて対照的であるといえる。 私の研究は主としてアメリカにおける判例・学説の全体像を明らかにする中で、(サイバースペース上の表現の自由をいかに守るかという点を基底におきつつ)わが国へのアメリカ法理論の「移植」可能性を模索するものである。 本年度は、平成14年12月に(本学に)提出した、博士論文「サイバースペースと表現の自由-表現内容規制をめぐるアメリカ法理論の検討を中心に-」の活字化の作業を継続して行い、その成果は、北大法学論集55巻1号から6号までの連載として公表することができた。また、岡田信弘編『憲法のエチュード』(八千代出版)において分担執筆する機会を与えられ(私の担当分には、今回の研究課題と密接に関連する、「インターネットに対する規制」の設問も含まれている)、平成16年5月に刊行された。
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Research Products
(7 results)