2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730019
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Research Institution | Seiwa University |
Principal Investigator |
森尾 成之 清和大学, 法学部, 専任講師 (90365007)
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Keywords | 公益通報と内部告発 / 組織と個人 / 個人へのリスク転嫁と通報報奨金 |
Research Abstract |
昨年度は、わが国における現状と課題を把握すべく、制定されたばかりの公益通報者保護法をめぐる問題を抽出し、その課題と現時点での対案を素描した。 これをふまえ、今年度は、組織における個人の行動原理・心理に焦点をあて、(日本)社会の中で個人が組織の不正を指摘し、行動することの困難さについて考察すべく、様々な環境下での個人のリスクにつき検討した。 加えて、公益通報者保護法施行に伴い、様々な論者による解説や提案が相次いでいるが、自ら勤務する職場の不正を摘発した通報者が、通報後も職場の中で勤め続けることを前提とした提案が極めて多い。通報者に予想される様々なリスクを考えると、事実上勤め続けることは困難な場合も少なくない。こうした状況をふまえた提案が求められる。 また、アメリカにおける内部告発をめぐる議論においても、通報者の行う通報行為は、誰、いずれ(組織、社会等)対して、忠誠を尽くすことになり、また逆にそうでないのか評価が分かれるところではある。 より、人間の行動原理に即した制度設計が必要である。
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Research Products
(1 results)