2005 Fiscal Year Annual Research Report
社会保障法領域における中間組織の研究-比較法による第三者型権利擁護活動の検討
Project/Area Number |
16730028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西田 和弘 岡山大学, 大学院法務研究科, 助教授 (70284859)
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Keywords | 中間組織 / 権利擁護 / 苦情解決 / サービスの質 / 個人情報保護 |
Research Abstract |
本研究課題遂行に当たっての平成17年度の具体的な研究活動は以下の通りである。 1.医療機関設置の医療福祉相談窓口における内部処理の実際と限界の調査。 2.国保連、社協の苦情解決の限界と権利擁護の視点からのネットワーク化の検討。 3.オーストラリア国における中間組織の展開に関する実態調査。 4.福祉サービスをめぐる苦情・紛争の解決における第三者型専門家ネットワークの可能性に関する検討。 1について サービス提供者自身に夜権利擁護活動の実際とその限界の調査を通し、中間組織に期待される機能を整理することができた。 2について 国保連、社協の苦情解決担当者と対応困難ケースについて議論し、複合的な問題を抱えたケースに対応するための中間組織のネットワーク化の必要性を検討した。同時に、ネットワーク化にあたっては個人情報保護など多様な角度から解決すべき問題があることを理解できた。 3について オーストラリア国メルボルン大学において、文献調査を行うとともに、当地の研究者に中間組織の権利擁護活動の実態についてインタビューを行った。また、PILCH(Public Interest Law Clearing House)の低所得者への権利擁護活動について担当者にインタビューし、中間組織型の権利擁護活動の前提となる法制度、財源調達方法、人的資源調達方法などについて有益な示唆を得た。 4について 職能団体の制約を受けない形での中間組織としての専門家ネットワークを形成し、それによる権利擁護活動の理論構築を行い、実践をはじめた。具体的には平成17年度中に医療福祉に関する2回の無料相談を実施し、また、平成18年3月には「福祉(介護を含む)サービスをめぐる苦情・紛争の解決における専門家ネットワークの可能性」をテーマとするシンポジウムの基調報告およびシンポジウム司会を務め、本研究の知見を生かした活動を実践した。実践を通していくつかの課題が浮かび上がってきたので、それらについては次年度に検討する。
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Research Products
(3 results)