2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730036
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宇藤 崇 神戸大学, 法学研究科, 助教授 (30252943)
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Keywords | 刑事訴訟における権利保護 / 準抗告 / 捜査の規律 |
Research Abstract |
本年度は、次のような調査研究を行った。 1 基礎的調査及び研究 (1)ドイツにおける議論の基礎的調査:当初の研究計画に従い,本年度は,1980年代後半あるいは90年代以降現在までに行われた種々の組織犯罪対策立法,あるいは新たな捜査手法の導入にかかわる立法に関する各種資料を収集・検討し,それに伴う対象者の権利保護制度の整備に関する立法動向,議論の動向について,基礎的な調査を進めることを,主たる課題とした.その結果,上記の立法過程において,従来潜在的にしか理解されてこなかった,捜査における警察の役割の変化,それに応ずる司法の役割の変化が顕在的なものとして受けとめられ,種々の処分の警察捜査段階への前倒しと,それに伴う権利保護制度の変容が現実のもとして議論されていることを,種々の文献からうかがい知ることができた.来年度も,同様の基礎的な作業を必要に応じて進める. (2)わが国における権利保護制度の基礎的調査:刑事訴訟法に定められる抗告および準抗告制度を中心に,基礎的な調査検討を進めた.とりわけ,準抗告制度が,現実の権利保護に果たす役割につき,資料を収集し調査した.この作業も今後とも進める. 2 違法捜査の規制のあり方についての多角的検討 日本刑法学会第82回大会でのワークショップ「違法捜査の規制について」において,オーガナイザを務めた.刑事訴訟制度内での規制方法のあり方を検討するほか,刑法,行政法などさまざまな角度から,違法捜査の規制というテーマにつき,各分野の諸氏と意見を交換し,捜査における裁判官の役割という研究課題の位置づけを確認することができた.
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