Research Abstract |
研究2年目にあたる平成17年度は,特に,台湾の会社法について研究を進めた.2005年5月に改正された台湾会社法の内容のうち,発起人の制限緩和,授権資本制度の廃止,株主総会の電子化,少数株主の提案権,取締役選出に関する候補者指名制度などについて,その概略を調査し,2001年改正から2005年改正に至る経過についてまとめることができた.また,台湾会社法の概略を掴むという段階から,個別論点の研究に足を踏み入れようと考え,取締役の義務について,検討を加えたところである.具体的には,台湾における企業統治のシステムを研究し,董事,董事会および経理人の役割について現地調査を踏まえて明らかにする作業を行った.取締役の注意義務については,特に,監視義務について理解を深めることができた.台湾における取締役の監視義務の注意義務の法上の根拠,義務の具体的内容,株主抑止請求権について研究を行った。台湾においてはこの分野に関する裁判例の研究が十分には進んでおらず.今後,裁判例に基づいた研究も行いたいと考えているところである.取締役の監視義務については,公開会社の場合には,証券取引法の適用も受ける.台湾証券取引法14条の1以下に規定される内部統制システム構築義務について理解を深めた.また,2006年1月に施行された改正証券取引法で導入された,独立取締役制度、会計検査委員会制度についても講究をすることができた.わが国会社法同様,アジアの諸国・地域でグローバル化して行く会社法制の方向性について改めて認識をさせられた.
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