2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国における汚染物質の排出規制及び環境紛争処理の現状と課題
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16730063
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
櫻井 次郎 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助手 (40362222)
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Keywords | 中国 / 環境問題 / 排出規制 / 公害訴訟 |
Research Abstract |
今年度は、排出規制及び環境紛争処理の現状を把握するための現地調査を実施し、その成果を学会及び研究会にて報告した。これらの研究成果は、学会・研究会における報告を踏まえ、来年度発行の学術雑誌及び書籍にて公開したいと考えている。 現地調査に関する具体的な内容は、まず「黒い河」で知られる淮河支流「沙河」の流れる河南省を2005年7月末と2005年12月の2回訪れ、流域の工場や「癌の村」と呼ばれる貧困村での聞き取り調査を実施した。2006年3月には、杭州市環境保護局監理科にて排出規制の実施状況に関するインタビュー調査を実施し、また福建省寧徳市屏南県では汚染訴訟判決が下った後の地域の環境管理に関する取り組みについて調査を行った。 これらの現地調査の結果を同じ関心を持つ研究者と共有し考察を深めるため、2005年9月1日には東京のジェトロ会館で開かれた「中国環境問題研究会」にて、同年10月22日には愛知大学で開かれた「日本現代中国学会」にて、また2006年2月4日にはキャンパスプラザ京都で開かれた「中国環境研究会」にてそれぞれ研究成果の報告を行った。 そのほか、2005年11月26、27日に中国上海市の華東政法大学で開かれた「第3回環境被害救済日中国際ワークショップ」では、事務局員として議事進行補助、翻訳及び通訳補助を担当し、中国の研究者、行政関係者との議論、交流を行うことができた。また、学会・研究会における若手研究者との交流を通して、フィールドスタディを基にした中国環境研究の成果を文理の垣根を越えて交換し合うことを目的とした「中国地域環境研究会」の設立が決まり、5月13日の名古屋大学国際開発研究科における第1回研究会の開催に向け設立準備会合を3回開き、それぞれの研究者の研究の発展に努めている。
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Research Products
(1 results)