2005 Fiscal Year Annual Research Report
金融危機に対する政策形成過程三国(日本、アメリカ、スウェーデン)比較研究
Project/Area Number |
16730068
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
竹中 治堅 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (70313484)
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Keywords | 不良債権 / 金融危機 / 政権交代 |
Research Abstract |
日本、アメリカ・スウェーデンにおいて金融危機が発生した時の、政治状況について把握することにつとめた。 戦前の日本では、1920年代に金融システムは不安定化し、1927年に金融危機が発生する。この間、1924年6月には憲政会、政友会、革新倶楽部を与党とする加藤高明内閣が成立し、1925年8月には,憲政会単独を与党とする第二次加藤内閣が成立する。その後、1926年1月には若槻内閣が成立し、1927年4月には政友会への政権交代が起こり、田中内閣が成立した。田中内閣の下で、金融危機の解決は図られた。 アメリカでは、1980年代に貯蓄貸付組合の経営危機問題がおきる。1981年にレーガン政権が誕生し、レーガン大統領は1984年の大統領選で再選を果たし。1985年から二期目の政権を発足させる。1989年にはブッシュ政権が成立、ブッシュ政権の下で、金融危機の解決は図られた。 スウェーデンでは、1991年から1992年に金融システムが不安定化したが、その遠因は1980年代後半から経済においてバブルが発生したことにあった。スウェーデンは、1982年から社民党を与党とするパルメ内閣、カールソン内閣が続いた。1991年10月には、穏健等、国民党、中央党などへの政権交代が起き、ビルト内閣が成立した。このビルト内閣の下で、金融危機の解決が図られた。 1990年代に日本では、1990年前半より不良債権問題が発生し、金融システムが不安定化し、1997年から1998年にかけて金融危機が発生した。この間、日本の政治は動揺する。1993年8月には自民党が政権から転落し、細川内閣が成立する。しかし、1994年6月に、自民党は政権復帰し、1996年1月には、自民党の橋本龍太郎総裁が首相に就任し、以後、自民党の内閣が続いている。金融システムは、2001年に成立した小泉内閣の下で安定化する。
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