2004 Fiscal Year Annual Research Report
競争入札の政治経済学--官公庁による情報システム調達の取引費用分析
Project/Area Number |
16730073
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
福井 秀樹 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (00304642)
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Keywords | 競争入札 / 情報システム / 取引費用 |
Research Abstract |
本研究の狙いは、官公庁による情報システム調達過程の調査・分析を通じて、競争入札が直面している今日的課題の発生メカニズム・類型と対処策とを明らかにすることにある。その際、「談合」だけでなく「入札契約の実施・更新過程」にも競争入札の阻害要因は存在する、という視点から入札制度の分析を行う点が、本研究の特徴である。 平成16年度は、情報システムの入札契約の実施・更新過程を分析するために不可欠な、調達と予算とに関連する行政文書の収集と、そのデータベース作成作業を、中央府省を対象に行った。 本研究にとって最も重要な入札状況調書をはじめとする行政文書の保存期限が5年間であるため、当初、過去5年間分の情報システム調達関連行政文書全ての開示請求を行った。ところが、内閣官房編の『政府調達における我が国の施策と実績』(各年版)のデータと照らし合わせてみたところ、各府省の情報公開が非常にずさんであてにならないことが判明した。『政府調達における我が国の施策と実績』に掲載されているにもかかわらず開示から漏れるシステム関連行政文書が少なくなかったのである。 そのため、最終的に『政府調達における我が国の施策と実績』のみを典拠として行政文書開示請求を行うこととした。出版済みの『政府調達における我が国の施策と実績』が網羅しているのは平成14年(2002年)の調達分までである。今年度は、1999年から2001年までの3カ年分の行政文書について開示請求を実施、行政文書を入手の上、データベースを作成した。 2002年及び2003年調達分のシステムに関する行政文書は、『政府調達における我が国の施策と実績』の最新版発行を待って、次年度に開示請求する予定である。
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