2005 Fiscal Year Annual Research Report
社会的セーフティネット構築をめぐる政党間競争と合意形成
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16730078
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
三浦 まり 上智大学, 法学部, 助教授 (80365676)
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Keywords | 社会保障 / 政党政治 / 少子高齢化 / 女性政策 / 雇用政策 / 労働市場 / 雇用保険 / 政党間競争 |
Research Abstract |
労働市場の流動化、女性の社会進出、少子高齢化等の環境変化が、どのような政策対応をもたらしたのか、その際、政党政治はどのような影響を与えたのかという点を中心に研究を進めた。具体的には、男性正社員の長期雇用と女性(主婦)のパート雇用を前提として構築されてきた日本の社会的セーフティネットが抱える問題点と利害対立を明らかにした上で、各政党がどのような政策を支持するに至ったのかを調査・整理することが研究課題である。 平成17年度における研究活動は三点に集約できる。第一に日本の政策変化を国際的に比較するために英語文献を体系的に渉猟し整理を行った。第二に国際比較を行うために、海外研究者との交流・研究打ち合わせをもった。具体的にはメキシコ・グアダラハラ大学を訪問し、Carlos Barba氏やArturo Santa Cruz氏らと意見交換を行い、非欧米圏における福祉国家研究の動向に関して大きな示唆を得ることができた。第三に、失業保険に関する追加調査ならびに論文の執筆である。したがって研究経費としては、図書などの設備備品費・消耗品費、研究打ち合わせ・資料収集のための海外旅費、出張用のノートブック・パソコン、研究補助のための謝金が主な支出となった。 平成17年度の成果としては、研究補助を得て体系的に文献調査を行い、日本の政策変化の動向を整理したことがある。さらに昨年度編集作業を終了させた"Risk Sharing or Cost Externalization : Employment Maintenance Policy and the Underdevelopment of the Social Safety Net in Japan"を大幅に改定し、"Playing without a Net : Japan's Unemployment Insurance Policy,1974-2005"を執筆し、投稿の準備を整えた。
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