2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16730081
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
窪田 好男 神戸学院大学, 法学部, 助教授 (60330411)
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Keywords | 構造改革特区 / 政策評価 / 社会実験 / 政策終了 / 政策過程における専門家の役割 |
Research Abstract |
本研究は、構造改革特別区域(構造改革特区)を所管する構造改革特別区域推進本部の元に設置された評価委員会の評価について、政策評価論の観点から分析を試みたものである。研究の成果として、構造改革特区の評価委員会による政策評価は、日本的な外部評価の典型の一つと結論した。 わが国には政策評価に関する主要な制度として、国の府省の政策評価制度と地方自治体の事務事業評価がある。このいずれにおいても外部評価が重視されている。構造改革特区の評価委員会を含むわが国の外部評価の特徴は、本来は政治的リーダーシップが担うべき役割を、外部主体から構成される評価委員会が代行していることである。 構造改革特区の評価委員会による政策評価は、本来期待された政策効果の確認や政策の論理モデルの検証ではなく、総合的な評価に基づく政策の継改休廃の判断に力を入れている。 日本における外部評価が全てこのような方向に必然的に向かうわけではない。兵庫県教育委員会が設置した「トライやる・ウィーク」評価検証委員会のように、政策効果の確認や政策の論理モデルの確認を適切に行っているケースも存在する。 構造改革特区の評価委員会がこのようになったのは、委員の人選と構造改革特区推進本部を一とする関係アクターの意識に原因がある。 改革の果実を得ることを急ぐあまり、評価の濫用を続けるなら、改革を求める政策の効果においても、わが国の政策評価の実践にも、公共政策学やその各論としての政策評価論の研究にも禍根を残すのではないだろうか。
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